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BASSNINJA今沢カゲロウ氏インタビュー!Vol.4

BASSNINJA今沢カゲロウ氏独占インタビューVol4

8月13日(土)島村楽器神戸三宮店にて今沢カゲロウ氏ライブ&セミナーが開催されました!セミナー後、カゲロウさんに独占インタビューさせていただきました。今回はVol.4を掲載いたします。

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今沢カゲロウ氏

BASSNINJA今沢カゲロウ氏独占インタビューVol.4

相澤:セミナーの質問でも出ていましたが、ベースで全ての音をだしているじゃないですか。曲が浮かぶ瞬間って、やっぱりベースラインからですか?

今沢:いや、僕の場合はベースラインはあとからつけることも多いですね。ベースソロとか技術的なことにクローズアップされていますが、曲を創るときってびっくりするくらいベースと関係なかったりします。「こういうテクニックを使ってみました」とか即物的なことから音楽をつくることがすごく苦手で。ベースソロということでステージに立っているし、音符も細かいのでテクニックを観に来られるお客さんも多いと思うんですけど、実は僕はそこから一番遠いところにいる気がしますね。テクニック的にどうだったとかむしろ相対的なことであって、僕が自分で音楽を創ることに関しては僕がどれだけの細かい音符を生み出そうがそうじゃなかろうが、僕の音楽にとって必要だと思ってやっているんですよね。


今沢:スラップをしようが、タッピングをしようが、ツーフィンガーで弾こうが、びっくりするぐらいそのひとつひとつのことは即物的に考えていないんです。言語を使うとか、そういった感覚でしかないです。

「もやし」っていうのがスラップで「かぼちゃ」がツーフィンガーだとします。「もやし」って言っても普通だし「かぼちゃ」って言っても普通ですよね。でも「もやし」って言った瞬間に周りが「おおおお!!!」って言うとか、「もやしって言った!すごいな!」とか。僕からするとなんかそんな感じなんです。「もやし」とか「かぼちゃ」とか言うのに勉強もするかもしれませんが、いったん勉強して「もやし」という言葉が身体に入ってしまって血や肉になってしまったら、あとはアウトプットするのは素の状態ですよね。完成度が低いんだったら高くするために練習するのは当たり前。でも入ってしまえば「もやし」が必要な時は「もやし」って言うし、かぼちゃが必要な時は「かぼちゃ」って言う。それに対して「すごい!」とかって言うのは相対的なことであって、僕が例えば未来都市を表現したい時に「もやし」が必要でした「かぼちゃ」が必要でした、だから「もやし」を使ったんですよ、「かぼちゃ」を使ったんですよというだけの話なんです。

だから前回スラップバトルに呼んで頂きましたが、そういったときや、アマチュアの方とバトルする機会があったとしても僕は「負けないように弾こう」とかはあんまり考えないです。スラップバトルとかだと2人が交互に演奏しますよね。そのときに相手の人が弾いて、それに対してレスポンスするときに「こういうフレーズにしたら音楽としてもっと盛り上がるんじゃないか」とか、それがエンターテインメントなら「こう返したほうがオーディエンスも盛りあがるんじゃないか」という風に考えますね。

川口:スラップバトルでは、カッコイイフレーズを弾こうとついつい思ってしまうこともありますが、それ以上に音楽の会話的なところをもっともっと共有できたらなぁと思っているんです。そういったことを面白いと思ってもらえるようにしたいですね。

今沢:とにかく、即物的な考えを失くせばいいと思うんですよね。難しいとは思いますが・・・。僕がベースっていう楽器を弾いてそして50年後を意識しているのにはいろんな意味を含んでいるんです。まず地球唯一の演奏が確実にできるようにならなきゃいけないっていうのもありつつ、50年後の人が聴いても絶対古さを感じないような、普遍的な美しさを持たなければいけない、そのためには練習もしないといけないとかいろいろ考えるんです。ベースっていう楽器はそういったことができる楽器だと信じているんです。スラップバトルのようなものでさえ、勝ち負けを表現するためのテクニックを使いながら美しさも表現できるはずなんです。そう思って僕は30年弾いてきました。だからみんなの好きな音楽をもっと掘り下げて聴けばいいと思うし、音楽以外に好きなこと、例えば小説でもスポーツでもいいからどんどん掘り下げていけばいいと思います。それは確実に自分にフィードバックされると思うんですよね。そういうことから始めると自然にベースプレイも変わってくると思いますし、それに尽きると思うんです。道を歩いてて「花がきれい」とか「星がきれい」とかあると思うんです。そういうことって全部音楽創作に反映されるだけじゃなくて、演奏にだって反映されることだし。人と会話したりとか人に対しての心づかいとか、そういったことも全部プレイに反映される、演奏って全部そういったことも含んでるんですよね。人の話をちゃんと聞いているかとか、人の話を聞いた上でその人の良さをちゃんとひきだしているかとか。ベースを演奏すること自体も、普段バンドで演奏する時に、「俺が前に出る」ていう以前に、「自分がどういった音を選ぶことによって、ギタリストやドラマーの演奏がよりいい音で聴こえるか」ってことを考えてやるだけで、自分自身も上手くなります。人のことを気を遣ったからといって、自分が前に出られないとか、そんなことは全くないんですよ。まず、バンドや音楽のレベルが上がっていくし、それによって得るものがたくさんあって、そこでじゃあ「君、ひとりでやってごらん」って言われた時に、より音楽を活かせるような演奏が出来ると思います。人間的にもそうだし、それはとっても大事なことだと思います。そういったことをわかった上でスラップバトルをやると、当然演奏内容はかわると思いますよ。

川口:このインタビュー、ベーシスト必聴ですね!!!

今沢:あとですね、練習ってみんな結構勘違いしていて、「僕はプロになりたいんですけど、どんな練習をしたらいいですか?」という質問をよく受けるんですね。

例えばスケール練習を2ヶ月やったとします。そして2ヶ月我慢して練習したから次は普通のベースラインを練習します。普通のベースラインの練習を2ヶ月我慢してやったから今度はスラップにいきます。そうやって、「この2ヶ月辛いけど、2ヶ月頑張ったら次のステップにいけるぞ」という感覚でやってると思うんですけど、練習ってダウンロードじゃないんです。1ヶ月目2ヶ月目はスケールだけの練習やりました、3ヶ月目4ヶ月目はベースラインだけの練習をやりました、3ヶ月目4ヶ月目はベースラインだけの練習をしていると、スケール練習は下手になっていますよ。3ヶ月目4ヶ月目はダウンロードじゃないんだから、スケール練習も継続してやらなきゃいけないです。5ヶ月目6ヶ月目はスラップをやりますってなったときはスケール練習もベースラインの練習もしないといけないんです。その人がプロになろうが一流になろうが世界で一番うまくなろうが死ぬまで続くんです。今出来なくてやりたくないことを今我慢してやっておけば、次のステップにいけると思うと、大げさな言い方をしてしまうと、その人の人生は失敗してしまいます。学ぶことの基本だけど、「出来ないことを知ることを喜ぶ」ということです。「今スケール練習したんだけど、薬指と小指がこんなにもたつく」とか「ドとラの距離はこんなとこにあったんだ」というのは喜びなんですよね。「あ、俺できないことがこんなにたくさんある」またもう一歩踏み出したら「シの位置もこんなところにあった」と発見して、「あ、俺はこんなに知らないことがたくさんあるんだ、楽しいな」と思うことが学びの基本になるんだと思います。そうやってベースの練習をしていれば、今日明日自分が出来ないことを知ることが楽しいし、2ヶ月3ヶ月練習することも楽しいし、実際プロになってなにかやることも楽しい。そういう意識でやってたら、今日明日できないことを楽しむという技術が確実にプロになることにリンクされていくんです。これを、我慢して我慢して我慢してってやっていくと、一生充実感を得られずに終わってしまうと思います。その感覚を知っていると、スラップバトルはもっと楽しくなると思うし、まず内容が全然違ってくると思います。やりっぱなしの荒い演奏にはまずならない、そんなに音をたたみかけなくたって音に深みが増すし、楽器を一音一音ちゃんと鳴らす音のよさが違ってきますよね。そっちのほうが人の心を打ったりするので。

去年スラップバトルに参加させていただいた時はcoolzにシールド一発でやったんですけど、そのあたりを解って欲しいですね。アンプとかでブーストしなくても、機材的なところにこだわらなくても、ちゃんと伝えられるんですよ、というところですね。今度参加するとしても全く同じセッティングでやると思います。ちゃんとその人が修練して、ちゃんと愛情持って音楽を練習していたら、指先の音をちゃんと再現してくれる環境のほうがいいと思うんで、そっちのほうがしっかり伝わると思うんですよね。

(独占インタビューVol.5に続く・・・coming soon!!!!)
8月10日に発売となった今沢カゲロウ氏14枚目の作品、「Hansa / ハンザ」はコチラからチェック!!!

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